第1章 総 則
第1条〔この法律の趣旨置〕 この法律は、教育委員会の設置、学校その他の教育機関の職員の身分取扱その他地方公共団体における教育行政の組織及び運営の基本を定めることを目的とする。
第1条の2(基本理念) 地方公共団体における教育行政は、教育基本法(平成十八年法律第百二十号)の趣旨にのつとり、教育の機会均等、教育水準の維持向上及び地域の実情に応じた教育の振興が図られるよう、国との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。
第2章 教育委員会の設置及び組織
第1節 教育委員会の設置、委員及び会議
第2条〔設置〕 都道府県,市(特別区を含む。以下同じ。)町村及び第23条に規定する事務の全部又は一部を処理する地方公共団体の組合に教育委員会を置く。
第3条〔組織〕 教育委員会は、5人の委員をもつて組織する。ただし、条例で定めるところにより、都道府県若しくは市又は地方公共団体の組合のうち都道府県若しくは市が加入するものの教育委員会にあつては6人以上の委員、町村又は地方公共団体の組合のうち町村のみが加入するものの教育委員会にあつては3人以上の委員をもつて組織することができる。
第4条〔任命〕
委員は,当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で,人格が高潔で,教育,学術及び文化(以下単に「教育」という。)に関し識見を有するもののうちから,地方公共団体の長が,議会の同意を得て,任命する。
2 次の各号の一に該当する者は,委員となることができない。
第5条〔任期〕
委員の任期は、4年とする。
ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
第6条〔兼職禁止〕 委員は、地方公共団体の議会の議員若しくは長、地方公共団体に執行機関として置かれる委員会の委員若しくは委員又は地方公共団体の常勤の職員若しくは地方公務員法(昭和25年法律第261号)第28条の5第1項に規定する短時間勤務の職を占める職員と兼ねることができない。
第11条(服務等)
委員は、職務上知ることができた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
2 委員又は委員であつた者が法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、教育委員会の許可を受けなければならない。
3 前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除き、これを拒むことができない。
4 委員は、非常勤とする。
5 委員は、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。
6 委員は、その職務の遂行に当たつては、自らが当該地方公共団体の教育行政の運営について負う重要な責任を自覚するとともに、第1条の2に規定する基本理念に則して当該地方公共団体の教育行政の運営が行われるよう意を用いなければならない。
第12条〔委員長〕
教育委員会は,委員(第16条第2項の規定により教育長に任命された委員を除く。)のうちから,委員長を選挙しなければならない。
2 委員長の任期は,1年とする。ただし,再選されることができる。
3 委員長は,教育委員会の会議を主宰し,教育委員会を代表する。
4 委員長に事故があるとき,又は委員長が欠けたときは,あらかじめ教育委員会の指定する委員がその職務を行う。
第13条〔会議〕
教育委員会の会議は,委員長が招集する。
2 教育委員会は,委員長及び在任委員の過半数が出席しなければ,会議を開き,議決をすることができない。ただし,第5項の規定による除斥のため過半数に達しないとき,又は同一の事件につき再度招集しても,なお過半数に達しないときは,この限りでない。
3 教育委員会の会議の議事は,第六項ただし書の発議に係るものを除き、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、委員長の決するところによる。
4 前2項の規定による会議若しくは議事又は第6項ただし書の発議に係る議事の定足数については、委員長は、委員として計算するものとする。
5 教育委員会の委員は,自己,配偶者若しくは三親等以内の親族の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については,その議事に参与することができない。ただし,教育委員会の同意があるときは,会議に出席し,発言することができる。
6 教育委員会の会議は、公開する。ただし、人事に関する事件その他の事件について、委員長又は委員の発議により、出席委員の三分の二以上の多数で議決したときは、これを公開しないことができる。
7 前項ただし書の委員長又は委員の発議は、討論を行わないでその可否を決しなければならない。
第2節 教育長及び事務局
第16条〔教育長〕
教育委員会に,教育長を置く。
2 教育長は、第6条の規定にかかわらず、当該教育委員会の委員(委員長を除く。)である者のうちから、教育委員会が任命する。
3 教育長は、委員としての任期中在任するものとする。ただし、地方公務員法第二十七条 、第二十八条及び第二十九条の規定の適用を妨げない。
4 教育長は,委員の職を辞し,失い,又は罷免された場合においては,当然に,その職を失うものとする。
第17条〔教育長の職務〕
教育長は,教育委員会の指揮監督の下に,教育委員会の権限に属するすべての事務をつかさどる。
2 教育長は,教育委員会のすべての会議に出席し,議事について助言する。
3 教育長は,自己,配偶者若しくは三親等以内の親族の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件についての議事が行われる場合においては,前項の規定にかかわらず,教育委員会の会議に出席することができない。ただし,委員として第13条第5項ただし書の規定の適用があるものとする。
第18条〔事務局〕
教育委員会の権限に属する事務を処理させるため,教育委員会に事務局を置く。
2 教育委員会の事務局の内部組織は,教育委員会規則で定める。
第19条〔指導主事その他の職員〕
都道府県に置かれる委員会(以下「都道府県委員会」という。)の事務局に,指導主事,事務職員及び技術職員を置くほか、所要の職員を置く。
2 市町村に置かれる教育委員会(以下「市町村委員会」という。)の事務局に、前項の規定に準じて指導主事その他の職員を置く。
3 指導主事は,上司の命を受け,学校(学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校をいう。以下同じ。)における教育課程,学習指導その他学校教育に関する専門的事項の指導に関する事務に従事する。
4 指導主事は,教育に関し識見を有し,かつ,学校における教育課程,学習指導その他学校教育に関する専門的事項について教養と経験がある者でなければならない。指導主事は,大学以外の公立学校(地方公共団体が設置する学校をいう。以下同じ。)の教員(教育公務員特例法(昭和24年法律第1号)第2条第2項に規定する教員をいう。以下同じ。)をもつて充てることができる。
5 事務職員は,上司の命を受け,事務に従事する。
6 技術職員は,上司の命を受け,技術に従事する。
7 第1項及び第2項の職員は,教育長の推薦により,教育委員会が任命する。
8 教育委員会は、事務局の職員のうち所掌事務に係る教育行政に関する相談に関する事務を行う職員を指定し、これを公表するものとする。
9 前各項に定めるもののほか、教育委員会の事務局に置かれる職員に関し必要な事項は、政令で定める。
第3章 教育委員会及び地方公共団体の長の職務権
第23条〔教育委員会の職務権限〕 教育委員会は,当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で,次に掲げるものを管理し,及び執行する。
第26条〔事務の委任等〕
教育委員会は,教育委員会規則で定めるところにより,その権限に属する事務の一部を教育長に委任し,又は教育長をして臨時に代理させることができる。
2 前項の規定にかかわらず、次に掲げる事務は、教育長に委任すること
ができない。
第27条(教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価等)
教育委員会は、毎年、その権限に属する事務(前条第一項の規定により教育長に委任された事務その他教育長の権限に属する事務(同条第三項の規定により事務局職員等に委任された事務を含む。)を含む。)の管理及び執行の状況について点検及び評価を行い、その結果に関する報告書を作成し、これを議会に提出するとともに、公表しなければならない。
2 教育委員会は、前項の点検及び評価を行うに当たつては、教育に関し学識経験を有する者の知見の活用を図るものとする。
第27条の2(都道府県知事に対する都道府県委員会の助言又は援助)
都道府県知事は、第二十四条第二号に掲げる私立学校に関する事務を管理し、及び執行するに当たり、必要と認めるときは、当該都道府県委員会に対し、学校教育に関する専門的事項について助言又は援助を求めることができる。
第28条〔教育財産の管理等〕
教育財産は,地方公共団体の長の総括の下に,教育委員会が管理するものとする。
2 地方公共団体の長は,教育委員会の申出をまつて,教育財産の取得を行うものとする。
3 地方公共団体の長は,教育財産を取得したときは,すみやかに教育委員会に引き継がなければならない。
第4章 教育機関
第1節 通 則
第30条〔教育機関の設置〕
地方公共団体は,法律で定めるところにより,学校,図書館,博物館,公民館その他の教育機関を設置するほか,条例で,教育に関する専門的,技術的事項の研究又は教育関係職員の研修,保健若しくは福利厚生に関する施設その他の必要な教育機関を設置することができる。
第32条(教育機関の所管) 学校その他の教育機関のうち、大学は地方公共団体の長が、その他のものは教育委員会が所管する。ただし、第24条の2第1項の条例の定めるところにより地方公共団体の長が管理し、及び執行することとされた事務のみに係る教育機関は、地方公共団体の長が所管する。
第33条〔学校等の管理〕
教育委員会は,法令又は条例に違反しない限度において,その所管に属する学校その他の教育機関の施設,設備,組織編制,教育課程,教材の取扱その他学校その他の教育機関の管理運営の基本的事項について,必要な教育委員会規則を定めるものとする。この場合において,当該教育委員会規則で定めようとする事項のうち,その実施のためには新たに予算を伴うこととなるものについては,教育委員会は,あらかじめ当該地方公共団体の長に協議しなければならない。
2 前項の場合において,教育委員会は,学校における教科書以外の教材の使用について,あらかじめ,教育委員会に届け出させ,又は教育委員会の承認を受けさせることとする定を設けるものとする。
第2節 市町村立学校の教職員
第37条〔任命権者〕
市町村立学校職員給与負担法(昭和23年法律第135号)第1条及び第2条に規定する職員(以下「県費負担教職員」という。)の任命権は,都道府県委員会に属する。
2 前項の都道府県委員会の権限に属する事務に係る第二十六条第二項の
規定の適用については、同項第四号中「職員」とあるのは、「職員並び
に第三十七条第一項に規定する県費負担教職員」とする。
第38条〔市町村委員会の内申〕
都道府県委員会は,市町村委員会の内申をまつて,県費負担教職員の任免その他の進退を行うものとする。
2 前項の規定にかかわらず、都道府県委員会は、同項の内申が県費負担教職員の転任(地方自治法第二百五十二条の七第一項の規定により教育委員会を共同設置する一の市町村の県費負担教職員を免職し、引き続いて当該教育委員会を共同設置する他の市町村の県費負担教職員に採用する場合を含む。以下この項において同じ。)に係るものであるときは、当該内申に基づき、その転任を行うものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
第43条〔服務の監督〕
市町村委員会は,県費負担教職員の服務を監督する。
2 県費負担教職員は,その職務を遂行するに当つて,法令,当該市町村の条例及び規則並びに当該市町村委員会の定める教育委員会規則及び規程(前条又は次項の規定によつて都道府県が制定する条例を含む。)に従い,かつ,市町村委員会その他職務上の上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。
3 県費負担教職員の任免,分限又は懲戒に関して,地方公務員法の規定により条例で定めるものとされている事項は,都道府県の条例で定める。
4 都道府県委員会は,県費負担教職員の任免その他の進退を適切に行うため,市町村委員会の行う県費負担教職員の服務の監督又は前条、前項若しくは第47条の3第1項の規定により都道府県が制定する条例若しくは同条第2項の都道府県の定めの実施について,技術的な基準を設けることができる。
第46条〔勤務成績の評定〕
県費負担教職員の勤務成績の評定は,地方公務員法第40条第1項の規定にかかわらず,都道府県委員会の計画の下に,市町村委員会が行うものとする。
第3節 学校運営協議会
第47条の5 教育委員会は、教育委員会規則で定めるところにより、その所管に属する学校のうちその指定する学校(以下この条において「指定学校」という。)の運営に関して協議する機関として、当該指定学校ごとに、学校運営協議会を置くことができる。
2 学校運営協議会の委員は、当該指定学校の所在する地域の住民、当該指定学校に在籍する生徒、児童又は幼児の保護者その他教育委員会が必要と認める者について、教育委員会が任命する。
3 指定学校の校長は、当該指定学校の運営に関して、教育課程の編成その他教育委員会規則で定める事項について基本的な方針を作成し、当該指定学校の学校運営協議会の承認を得なければならない。
4 学校運営協議会は、当該指定学校の運営に関する事項(次項に規定する事項を除く。)について、教育委員会又は校長に対して、意見を述べることができる。
5 学校運営協議会は、当該指定学校の職員の採用その他の任用に関する事項について、当該職員の任命権者に対して意見を述べることができる。この場合において、当該職員が県費負担教職員(第五十五条第一項、第五十八条第一項又は第六十一条第一項の規定により市町村委員会がその任用に関する事務を行う職員を除く。第九項において同じ。)であるときは、市町村委員会を経由するものとする。
6 指定学校の職員の任命権者は、当該職員の任用に当たつては、前項の規定により述べられた意見を尊重するものとする。
7 教育委員会は、学校運営協議会の運営が著しく適正を欠くことにより、当該指定学校の運営に現に著しい支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められる場合においては、その指定を取り消さなければならない。
8 指定学校の指定及び指定の取消しの手続、指定の期間、学校運営協議会の委員の任免の手続及び任期、学校運営協議会の議事の手続その他学校運営協議会の運営に関し必要な事項については、教育委員会規則で定める。
9 市町村委員会は、その所管に属する学校(その職員のうちに県費負担教職員である者を含むものに限る。)について第一項の指定を行おうとするときは、あらかじめ、都道府県委員会に協議しなければならない。
第5章 文部科学大臣及び教育委員会相互間の関係等
第48条〔文部科学大臣又は都道府県委員会の指導,助言及び援助〕
地方自治法第245条の4第1項の規定によるほか、文部科学大臣は都道府県又は市町村に対し、都道府県委員会は市町村に対し、都道府県又は市町村の教育に関する事務の適正な処理を図るため、必要な指導、助言又は援助を行うことができる。
2 前項の指導,助言又は援助を例示すると,おおむね次のとおりである。
第49条 (是正の要求の方式) 文部科学大臣は、都道府県委員会又は市町村委員会の教育に関する事務の管理及び執行が法令の規定に違反するものがある場合又は当該事務の管理及び執行を怠るものがある場合において、児童、生徒等の教育を受ける機会が妨げられていることその他の教育を受ける権利が侵害されていることが明らかであるとして地方自治法第二百四十五条の五第一項若しくは第四項の規定による求め又は同条第二項の指示を行うときは、当該教育委員会が講ずべき措置の内容を示して行うものとする。
第50条 (文部科学大臣の指示) 文部科学大臣は、都道府県委員会又は市町村委員会の教育に関する事務の管理及び執行が法令の規定に違反するものがある場合又は当該事務の管理及び執行を怠るものがある場合において、児童、生徒等の生命又は身体の保護のため、緊急の必要があるときは、当該教育委員会に対し、当該違反を是正し、又は当該怠る事務の管理及び執行を改めるべきことを指示することができる。ただし、他の措置によつては、その是正を図ることが困難である場合に限る。
第52条の2(文部科学大臣の通知) 文部科学大臣は、第四十九条に規定する求め若しくは指示又は前条の規定による指示を行つたときは、遅滞なく、当該地方公共団体(第四十九条に規定する指示を行つたときにあつては、当該指示に係る市町村)の長及び議会に対して、その旨を通知するものとする。
第53条〔調査〕
文部科学大臣又は都道府県委員会は、第48条第1項及び第51条の規定による権限を行うため必要があるときは、地方公共団体の長又は教育委員会が管理し、及び執行する教育に関する事務について、必要な調査を行うことができる。
2 文部科学大臣は、前項の調査に関し、都道府県委員会に対し、市町村長又は市町村委員会が管理し、及び執行する教育に関する事務について、その特に指定する事項の調査を行うよう指示をすることができる
第54条〔資料及び報告〕
教育行政機関は,的確な調査,統計その他の資料に基いて,その所掌する事務の適切かつ合理的な処理に努めなければならない。
2 文部科学大臣は地方公共団体の長又は教育委員会に対し、都道府県委員会は市町村長又は市町村委員会に対し、それぞれ都道府県又は市町村の区域内の教育に関する事務に関し、必要な調査、統計その他の資料又は報告の提出を求めることができる。
第54条の2(職務権限の特例に係る事務の処理に関する指導、助言及び援助等) 第二十四条の二第一項の条例の定めるところにより都道府県知事が管理し、及び執行する事務に係る第四十八条、第五十三条及び前条第二項の規定の適用については、これらの規定(第四十八条第四項を除く。)中「都道府県委員会」とあるのは「都道府県知事」と、第四十八条第四項中「都道府県委員会に」とあるのは「都道府県知事に」と、第五十三条第一項中「第四十八条第一項及び第五十一条」とあるのは「第四十八条第一項」とする。
